弊社は昭和2年の創業以来、地域に根差し、
地域の方々に助けられならが家造りを続けてきました。
これまで実にさまざまなことがありましたが、
先々代である忠一、そして先代であり今も元気に現場で活躍している先代の篤、
そして3代目となる私の代まで仕事を続けてこられたということは、
ひとえに皆様のおかげだと感謝しております。
先々代が大工ということもあり、
私たちは職人による家造りや、家造りにおける文化や風習を大切にしています。
最近では実施しないところも増えたと聞きますが、
家が無事に建つように願って行われる上棟式の時の餅まきも時々行っています。
ある上棟式の時にお客様から、こんなことを言われてハッとしました。
「職人さんたちが、雨が降ってずぶ濡れになりながらも作業を進めていた姿を見て感動しました。
おかげで上棟式に間に合うことができました。素晴らしい職人さんたちですね!本当にありがとうございます」
お恥ずかしながら、私は職人やお客様の顔を思い浮かべることすら忘れて仕事をしていたことも過去にありました。
一番大切なものは、家造りに関わるすべての人が幸せになること。
それなのに職人やお客様が、どんな思いで家造りに向き合っているのかを真剣に考えず、
建物の仕様やデザインといった面にばかりに目を向けていた……。
こうしたお客様から頂いた言葉の数々がきっかけになり、私は考え方を改めました。
冷暖房のきいた室内で、大工道具を握りしめたこともないお洒落なスーツを着た営業マンが家を造るのではない。
雨風や雪をものともせず、お客様のために黙々と作業を行う職人こそが、“本物の家”を造るのだと。
私は小さい時、泥臭い祖父や父の仕事よりもネクタイを締めたサラリーマンに憧れ
本当は父や祖父の仕事が好きではありませんでした。
考えを改めてからは、
地域の方々に愛される地場の工務店を守り続けてきた先代たちに誇りを持つようになりました。
皆様は“本物の家”と聞いて、どんな家を想像されますか。
そこに建っている家があれば、誰が見ても「偽物の家だ」とは思わないでしょう。
しかし中身を見ればそれが“本物の家”かどうかは一目瞭然です。
その家は、寒さの厳しい北海道で裸足で暖かく暮らせる家でしょうか。
その家は、地震の多い日本にふさわしい耐震性を備えた家でしょうか。
その家は、そこに暮らすご家族の健康を損ねない、きれいな空気の家でしょうか。
その家は、自然素材である木が持つぬくもりを感じられる家でしょうか。
そして何よりもその家は、確かな経験と実直さで家造りに取り組んできた職人が建てた家でしょうか。
効率や手軽さを追求して生まれた人工的なものが、優れた特長を持っているとは限りません。
たとえ手間や時間がかかっても、昔ながらの家造りでしか得られない利点はたくさんあります。
実際に暮らしてみれば、その利点を実感していただけるはずですし、
地元で80年以上の歴史を持つ私たち宮崎組だからこそ造れる“本物の家”で、
より多くのお客様に幸せになっていただきたいと考えています。
そうは言っても、時代の流れと共に住宅に関するニーズは多様化の一途を辿っています。
100人のお客様がいれば100通りの理想の住まいがあります。
この仕事について20年が経ちましたが、未だに日々勉強することが山ほどあります。
最新の住宅技術を取り入れ、一人ひとりのお客様と真摯に向き合い、
家だけでなくお客様の笑顔も増やしていけるよう、今後とも精進していく所存です。
株式会社宮崎組
代表取締役 宮崎直樹
長男が3歳の時の写真
今では男の子3人のパパになりました。